過日の記事『形式と元について』に述べた「項目内に生じる結合関係」について、以下の文章を紹介する。
ここで、商品のバッグは、それと形象的に対をなす記号相関物としてのシニフィアン(貝殻、石、植物)に結びつけられることによって、絵の中のさまざまな形象と結合関係(連辞的関係)の中に導き入れられています。そして、そのような形象として導き入れられた画面の構図が、カンディンスキーを想わせる絵画の引用となっている。この引用を通して、芸術性のコノテーションが成立しているわけです。*1
「項目内に生じる結合関係」の本質は、連辞関係であった。同項目内で認識されることにより、要素群は互いに連辞関係を結び、固有の意味作用を生み出す。そして、これらの意味体験がプロトタイプとして、要素の意味内容に入り込んでくるということであろう。